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今回の救助事例で、現場到着一車両部署一までに約三時間も要したのは、距離的にも遠く道も狭かったこと、通報者が第三者(会社の事務員)であったため現場の位置を正確に消防署に連絡できなかったことなどが挙げられるが、出動隊としても、山林事情に詳しい管轄営林署の職員を最初から先導者として要請すべきであったことも反省材料である。
また、今回のように災害地点が明確でない場合、今後は、隣接消防本部との連携を密にして、広域化していく災害に対応していかなければと考えているところである。
最後に、災害現場では救助隊だけの資器材にとらわれず、状況に応じて付近の施設等の有効活用も重要であることを再認識した救助事例であった。
(矢野一成)

予防・広報

明るく住みよい地域づくりをめざして
伊達地方消防組合消防本部(福島)
当本部は、福島県の最北部に位置する伊達郡を管轄しています。伊達郡は、人口二一万五千余で、東西二一?qを底辺とする南北四〇・五?qの逆三角形で、総面積四九四・八九?q2の消防だけの一部事務組合です。
地勢は、北東部の宮城県境及び南部は、標高八○○〜九〇〇m級の山々に囲まれ、西部は、福島市に至る??信達平野?≠?形成しています。
交通は、郡内を南北に縦断する国道四号線、三四九号線、東北新幹線、東北自動車道に加え、国道一一四号線、三九九号線が横断道路を形成するなど交通に恵まれており、更に、福島市と宮城県槻木町を結ぶ鉄道「阿武隈急行線」も運行されています。気候は、比較的温暖で積雪量も少ないが、内陸性気候のため、地域により寒暖の差が大きい町もあります。
農業は、米、果樹(もも、りんご、あんぽ柿等)、野菜等の栽培が中心となっています。
工業は、従来の地場産業に加え、誘致企業を中心とした工業団地が各町に造成され、地域の発展に調和した工業振興が進んでいます。
当本部は、一本部、一署、四分署、職員一四一名で「住民が安心して暮らせる消防活動の推進」を基本姿勢に、職員が一致団結して住民の安全な暮らしをモットーに、防災思想の啓発に当たっています。今回は、当本部の予防広報の現状について紹介します。
一 受け持ち区による防火指導
職員が直接住民と接することによって、住民の防火意識の高揚を図るとともに、住民の声を予防行政に反映させることを目的として、次の「受け持ち区防火指導七つのポイント」を指導基本に、職員に受け持ち区を指定して防火指導に当たっています。
(一)職員は、職務知識を十分身につけること。
(二)指導内容は、教えてやるのではなく聞いてもらうこと。
(三)笑顔で相手を見ながら指導を行うこと。
(四)一つのことを、言い方をかえて、二度説明することも必要。
(五)場合によっては、メモ帳等に書いて行なう視覚に訴えるやり方も加えること。
(六)職員は、話題を豊富に持つこと。
(七)指導に当たっては、専門用語はできるだけ避け、相手にわかるように、やさしい言い回し、やさしい言葉に置き換えて行なうこと。
二 防火ポスターコンクール
毎年、夏休み前に管内の小学校四年生を対

 

 

 

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